大栗先生の超弦理論入門
- 著者:大栗博司
- 発売日:2013-08-20
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超弦理論入門をおすすめする3つの理由
超弦理論入門の内容と感想
本書は超弦理論と呼ばれる「素粒子は弦(げん)でできている」という仮説を知るための入門書です。これまでの標準模型に置き換わる理論としてめちゃめちゃ注目されています。
理論は難しいのですが、本書を読めば超弦理論についてわかった気なれまるのがいいところですね(笑)
私も超弦理論について何冊か読んだけど、この本が一番わかりやすかったです!(本当はわかってないけど)
超弦理論は別名「超ひも理論」と言われていれ、すべてのは物体を構成する素粒子は「点」ではなく「弦」でできていて、さらに世界は「11次元」でてきている仮説らしい。
(正確には9次元で、特殊な場合は1次元増えて、それに時間を追加して11次元らしい)
超弦理論について知りたいと思って購入したのが本書で、内容は難しいのですが大栗先生の文章がめちゃめちゃ上手!
こういう類いの本は「である調」で書かれとることが多いんですが、この本は「ですます調」で優しく感じる(笑)内容は難しいけど...
難しいなりにも簡単に感じるから、読み終わったあとはなぜか納得感が得られるという体験ができます(笑)
超弦理論の魅力
1.理論が七転び八起き
2.複数の研究者が携わっている
3.標準理論の矛盾を説明できる
4.日本人の多くが関係している
5.今も議論が進行中
まずこの超弦理論は相対性理論とは違って、複数の研究者が作り上げているところにドマラがあるのが面白い。
弦理論の誕生 → いやいや、それじゃこれは説明できないよね?弦ってなによ(笑)
超弦理論ver0 → まぁそれもいいけど、今は標準理論のほうがHOTだよね!超弦理論だとパリティ破れないしね!
超弦理論ver1 → ぷぷっなんか5つも理論できちゃってるじゃん(笑)
超弦理論ver2 → 超弦理論すげー!!!
という感じにいろんな人に否定されながらも進化してきて、やっと認められ始めた理論なんです!
変化の節々に別々の研究者がはいって、そのドラマが楽しいんです。
超弦理論としてのドラマ
相対性理論はアインシュタインが一人で頑張って、みんなから攻撃受けても反撃していったというアインシュタインの話がメインになるけど、超弦理論は超弦理論が主役の話になるのがすごくいいんですよね。
しかも、湯川さん、朝永さん、南部さん、後藤さん、米谷さん、小林さん、益川さん、大栗さん、稲見さんと多くの日本人が関係しているのも嬉しい。
基本的なところから始まって、標準理論→カラビ-ヤウ空間→M理論と続き、最後は空間は幻想なんだとか(笑)
空間は温度の概念に近いという考えがあって、温度っていうのは実は粒子の運動の激しさのことでミクロでみると温度っていうのは存在しなくなるんですね。つまり、温度はマクロ視点で見える幻想で、空間もそういった概念に近いというのが超弦理論から導き出される結果らしいです。
この辺からちょっとわからんくなるですが、超弦理論のことについてちょっと深堀りしたいという人にはおすすめの本!
↓大栗先生による本書の刊行記念メッセージ
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大栗先生について
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カリフォルニア工科大学カブリ冠教授、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員。1962年生まれ。京都大学理学部卒業。京都大学大学院修士課程修了。東京大学理学博士。プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを経て、現職。アスペン物理学センター理事でもある。
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